こんにちは、いぬにしです。
みなさんは、高価なガジェットを買うときに「最初だけ楽しんで、あとは使わなくなるのでは?」と迷ったことはないでしょうか。
筆者にとってApple Vision Proは、まさにそんな買い物でした。筆者が選んだのは中古のM2モデルで、追加アクセサリも含めた支出は約30万円。新しい技術には触れてみたい。でも、中古でもこれだけの金額を払う価値があるのか。購入前はリセールバリューまで含めて、あれこれ考えていました。
2025年12月に256GBモデルを購入し、この記事を書いている2026年9月で約9ヶ月。今も使っています。しかも、最も使用時間が長いのは動画を見る時間ではなく、Macで仕事をしている時間です。
今回は、Vision Proが仕事道具として定着した理由と、日常での使用感、使い続けて感じた不満をまとめます。
※アイキャッチは筆者の実写写真を素材にしたAI生成イメージです。
約9ヶ月後の今は、集中したいときに1日2〜5時間使っている
現在の使い方は、基本は物理モニター、集中したいときにVision Proというものです。
Vision Proを購入してから物理モニターを手放したわけではありません。いつものデスク環境を使いながら、仕事に集中したい時間にはMacの仮想ディスプレイへ切り替えています。

| 項目 | 筆者の使い方 |
|---|---|
| 接続するMac | M3 MacBook Pro |
| 主な作業 | システム開発・運用(IDE・ターミナル・ブラウザ) |
| Vision Proの使用時間 | 1日2〜5時間程度 |
| モニターとの使い分け | 基本は物理モニター、集中したいときにVision Pro |
※2026年9月時点の使い方です。使用時間は筆者の概算で、連続装着時間ではありません。
購入直後は「未来のガジェットを体験している」という感覚が強かったのですが、今は普通に仕事のために使っています。最初だけ遊んで、その後は棚に置いたまま、ということにはなりませんでした。
仕事の合間の動画視聴や気分転換、一人時間に映画を見る用途もあります。ただ、継続して使う理由として一番大きいのは、やはりMacとの組み合わせです。
良かった点は、大画面よりも集中しやすさと操作の楽さ
Macの画面を大きくできることは、もちろん便利です。ただ、使い続けてより価値を感じるようになったのは、周囲の視覚情報を減らして、作業に集中しやすくなることでした。
視覚ノイズが減り、作業に集中しやすい
物理モニターで作業をしていると、画面の周囲には机の上の物や部屋の様子、窓の外などが見えています。
Vision Proを装着すると、視界の大部分を作業画面にできます。さらに「環境(Environment)」を使えば、周囲の景色も切り替えられるため、仕事に関係のないものが目に入りにくくなります。
筆者には、これがかなり合っていました。作業効率を計測したわけではありませんが、体感としては「Vision Proを装着しているときが、一番仕事に集中できているのでは?」と思うほどです。
単に広い作業領域が欲しいだけなら物理モニターもあります。そのうえで、周囲の景色ごと変えられることに、Vision Proならではの良さを感じています。
5120×1440が、作業領域と文字の見やすさのバランスが良い
筆者は32:9のウルトラワイドを使い、Macの表示設定では5120×1440を選んでいます。

さらに細かい設定も試しましたが、メニューバーなどの文字が小さくなりすぎて、筆者には少し不便でした。今の設定が、作業領域と文字の見やすさのバランスが良いと感じています。
ここでの数値はMacの表示設定のものです。Appleの説明でもポイントとピクセルは区別されており、Vision Pro本体の画素数を示しているわけではありません。対応条件や設定については、AppleのMac仮想ディスプレイの案内で確認できます。
普段の開発・運用で使う範囲では、カクつきや遅延もほとんど気になりません。「仮想ディスプレイだから仕事がしにくい」と感じることはなく、明るい部屋の物理モニターより、こちらの画面のほうがはっきり見えると感じることもあります。
視線と指より、マウス・キーボードのほうが圧倒的に楽
意外と大きかったのが操作感です。Vision Proの視線と指による操作よりも、筆者にはマウス・キーボードでの操作のほうが圧倒的に楽でした。
Mac仮想ディスプレイを使っている間は、Macの入力機器でVision Pro側のアプリも操作できます。この機能も、先ほどのAppleの案内で説明されています。
つまり、Macとの接続は仕事用の画面を表示するためだけではありません。Vision Pro自体を普段使いしやすくする点でも役立っています。
少し休憩するときも、慣れた入力機器でYouTubeやSafariを操作できる。こうした操作の楽さも、日常的に使ううえでは大事だと感じました。
会議・休憩・ちょっとした家事も、装着したままこなせる
画面での作業以外にも、装着したままできることは意外とあります。筆者の場合、会議や休憩だけでなく、仕事中によく行う洗濯物の片付けでも不便を感じていません。
Google Meetはカメラオフ。音楽も耳を塞がず聴ける
Web会議ではGoogle Meetを使っています。筆者はカメラオフで参加しており、その範囲ではVision Proを装着したままでも特に困っていません。
なお、Macで動く会議アプリの音声入力について、AppleはMac内蔵またはMacに接続されたマイクを使うと説明しています。「Vision ProのマイクがそのままMacのマイクになる」という意味ではありません。Appleサポート
仕事用途で思った以上に良かったのは、スピーカーです。
耳を塞がずに音楽を聴けて、音にも十分満足しています。イヤホンを長時間装着し続けなくても、音楽を楽しみながら作業できるのが快適です。購入前はそれほど重視していなかった部分ですが、仕事に使うようになって評価が上がりました。
洗濯物を干す・畳む動作や、コップで飲むのも不便はない
筆者は仕事中によく洗濯物を干したり、畳んだりしています。そのときも、Vision Proを装着したまま行うことがあります。
カメラ越しに周囲を見る形になりますが、これらの作業では特に不便を感じていません。少なくとも、洗濯物を扱うたびに外さないと何もできない、という感覚ではありませんでした。
飲み物も、口が大きすぎないコップであれば、そのまま飲むことに不便は感じません。
大きな機能として紹介されるような話ではないですが、仕事の合間にする動作を、装着したまま続けられるのは使ってみて分かった良さです。
休憩は自然の景色や動画で気分転換
休憩では、マインドフルネスアプリで呼吸に意識を向ける使い方もしています。ただ、もっと単純に「環境」へ切り替えて、ぼーっとするだけでも気に入っています。
Digital Crownを回して周囲の景色の見え方を変え、雲や波を眺める。数秒前まで仕事をしていた場所で自然の景色に包まれる感覚は、筆者には良い気分転換になっています。
映像体験も、もちろん楽しんでいます。購入直後に衝撃を受けたApple Immersive Videoは、映像を見ているというより、その場所に居合わせているようでした。
公式YouTubeアプリで180度・360度の動画を見たり、薄暗い寝室で横になって映画を見たりするのも好きです。探した範囲では見たいコンテンツがもっと増えてほしいとは思いますが、大きな映像を楽しめる時間は今も魅力です。
気になった点は重さ。装着感と使える場面には条件がある
装着感は、姿勢によって評価が変わります。筆者の場合、座った仕事ではそれほど苦にならない一方、仰向けで長時間見ると顔への重さが負担になります。
座った仕事は快適でも、仰向けでは顔に重さがかかる
仕事中の装着では、追加購入したデュアルニットバンドがかなり良い仕事をしてくれています。普通に座って作業する場合には、長時間の装着もそれほど苦ではありません。
使っているのは、M2モデルにも対応するApple Vision Proデュアルニットバンドです。装着感には個人差があると思いますが、筆者の使い方では役立っています。

一方、ベッドで仰向けに近い姿勢になると、本体の重さを顔で受け止める形になります。身体は楽なのに、顔には重さがかかる。映像と音には満足しているのですが、映画を何本も続けて見るような使い方には向いていないと感じました。
寝室に大きなスクリーンを持ち込める感覚は好きなだけに、ここはもっと軽くなってほしいところです。
裸眼利用など、筆者個人の条件もある
筆者はICL手術後、インサートレンズを作らず、裸眼でVision Proを使えています。これは筆者個人の体験ですが、日常的に使ううえでうれしい点です。手術後の生活については、別の記事にまとめています。

画面の置き方にも加減は必要で、ウルトラワイド画面を近づけすぎると、首を大きく動かすことになります。大きくできる画面でも、自分が見やすいサイズや距離で使うことが大切だと感じています。
中古本体と追加アクセサリで292,379円。それでも買った理由
今回の本体と追加アクセサリの支出をまとめると、合計292,379円でした。十分高額な買い物です。
| 購入したもの | 購入金額 |
|---|---|
| Apple Vision Pro(M2・256GB/中古) | 273,000円 |
| Apple Vision Proデュアルニットバンド | 16,800円 |
| ゴーグル保護カバー | 2,180円 |
| バッテリー用シリコンカバー(GLILAVOX・ホワイト) | 399円 |
| 4点の合計 | 292,379円 |
※本体は2025年12月にサクモバで購入。バンドはApple公式ストアで追加購入しました。上記は筆者の購入額で、現在の販売価格ではありません。合計からポイントや将来の売却額は差し引いていません。
バッテリーには、399円で購入したシリコンカバーを付けています。デスク上に置いて使うため、コードを誤って引っ張ったときに滑って落ちるのが心配で、滑り止めと保護を目的に購入しました。安いものですが、しっかりフィットしていて、筆者の使い方では問題なく役割を果たしてくれています。
以下はバッテリー保護カバーの類似品です。筆者の購入品とは異なり、使用感は未確認です。楽天・Yahooは検索結果のため、対応機種・仕様は各商品ページで確認してください。
ゴーグル保護カバーの類似品も掲載します。こちらも筆者の購入品とは異なり、使用感は未確認です。楽天・Yahooは検索結果のため、対応機種・仕様は各商品ページで確認してください。
中古購入では、付属ライトシーリングのサイズにも注意
筆者は、付属のライトシーリングのサイズがたまたま合っていたため、別途購入せずに済みました。 あくまで運が良かっただけで、中古本体に付いているものが、誰にでも合うわけではありません。
ライトシーリングは、本体と顔の間に取り付けるパーツです。Appleも、調整してもフィットしない場合は別のライトシーリングやクッションが必要になる可能性を案内しています。中古で購入する際は、付属品のサイズが自分に合うかを確認し、合わなければ追加購入費用もかかり得ると考えておく必要があります。
上の292,379円には、ライトシーリングの追加購入費用は含まれていません。筆者と同じ金額で使い始められるとは限らない点は、中古を検討する際に気を付けたいところです。

新しい体験への期待が、購入の決め手になった
新品で気軽に買える価格ではなかったため、中古を検討しました。届いた個体は使用感がほとんどなく、状態にはとても満足できました。
ただ、買う前はかなり迷っています。その年はすでにいろいろなガジェットを買っていて、一つひとつには価値を感じていたものの、年間の購入総額は大きくなっていました。
新しい技術を早く体験する価値はあるのか。仕事にも使えるのか。本当に今、買う必要があるのか。将来手放すときのリセールバリューも、購入を考える材料の一つでした。
それでも惹かれた背景には、筆者の「体験は増やしたいけれど、所有物そのものは増やしたくない」という考えがあります。
ガジェットは好きなのに物を増やしたくない、というと矛盾して聞こえるかもしれません。しかし、スマートフォンにさまざまな役割が集まったように、大きな画面も必要なときだけ空間に出せるようになったら面白い。そんな未来を体験してみたかったのです。
今の筆者は物理モニターも使っています。それでも、仕事の画面、休憩の景色、映画を見る大きなスクリーンを一つの機器で切り替えられることには、購入前に期待していた楽しさがあります。
その楽しさに加えて、集中したいときの仕事にも役立った。筆者にとっては、そこが購入後に感じた一番大きな価値でした。
Vision Pro本体のリンクはこちらです。楽天は筆者の購入店とは異なる販売店、Yahooは検索結果です。状態・付属品・サイズは各商品ページで確認してください。
まとめ:Macで集中したい時間に価値を感じるなら、検討する余地はある
Vision Proは、筆者にとって「未来の体験を楽しむために買ったガジェット」から、「Macで集中したい時間に使う仕事道具」になりました。
物理モニターと併用しながら、周囲の視覚情報を減らして作業する。慣れたマウス・キーボードを使い、休憩やちょっとした家事も挟める。この使い方が、筆者の日常に合っていました。
Macでの個人作業に集中できる環境を求めていて、価格や装着の負担を受け入れられる人なら、検討する余地はあると思います。
一方、安価に作業画面を増やしたい人、顔への重さを避けたい人、横になって長時間映画を見ることが主目的の人には、おすすめしにくいです。
自分には、Macで集中して作業したい時間がどれくらいあるのか。その時間のために、支出と装着の負担を受け入れられるか。購入を考えるときは、そこが一つの判断軸になるのではないでしょうか。
筆者の約9ヶ月の使用感が、みなさんの参考になれば幸いです。

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